【II.-8.】 妊娠糖尿病(1)――発症のメカニズム
糖尿病は妊娠を契機として発症することもあります。発症のメカニズムとしては、まず第一に、妊娠に伴い【インスリン拮抗ホルモン】が胎盤で生成されることが挙げられます。このホルモンは、【インスリン】とは逆のベクトルに、すなわち血糖値を上げる方向へ作用しまう。これによって、妊娠数カ月後には妊婦の体は、【インスリン抵抗性】、つまりインスリンの作用にに難を要する性質を帯びやすくなるのです。
本来は、この時期には【ランゲルハンス島】でのインスリン分泌が活発になって抵抗性が相殺されるのです。しかし、第二に、妊婦の体質によっては、インスリン分泌がうまく機能しないことがあり、血糖値が上昇し、糖尿病を発症するという仕組みになっています。
また、第三のメカニズムとしては、遺伝・既往症歴・出産異常歴(流産・早産・異常児)・高齢出産・【尿糖陽性】といった要因も指摘されるところです。なお、【尿糖】の【陽性】/【陰性】と、糖尿病の有無は直結するものではありません。ただし、この点は紙面の都合上省略します。
妊娠糖尿病の基本的なメカニズムについては以上です。続いて問題となるのは、妊娠糖尿病の実態と合併症についてです。
