【II.-9.】 妊娠糖尿病(2)――実態と合併症
妊娠糖尿病の発症率は、2~5%といわれています。最大値・最小値の幅は喫煙の有無に依るとされています。一方、この症状が直接流産に働くことはないともいわれています。なお、一般的に知られる流産率は10~15%とされています。一方で、糖尿病が合併症を誘発したり、後に紹介する糖尿病合併妊娠に至る場合には、大幅に流産率が高まってきますので、ご注意ください。
危険なのは、合併症です。合併症は母体だけでなく、胎児・新生児にも発症するものです。母体においては、・【羊水過多症】・【尿路感染症】が併発しやすくなります。他にも、【糖尿病性網膜症】は早産の恐れを伴います。【糖尿病性腎症】が妊婦においては、【妊娠中毒症】として現れます。【インスリン使用】による低血糖状態は、【羊水過多症】や【難産】(【巨大児】)を引き起こすことがあります。【糖尿病性ケトアシドーシス】は流産の危険を高めます。また、【尿路感染症】も合併症の一つです。これらの合併症について、詳しくは次章をご参照ください。
一方で、胎児・新生児においては、【先天奇形】・【巨大児】・【新生児低血糖症】・【肥厚性心筋症】をはじめ【流産】・【死亡】に至るまで、多様な合併症や随伴症状の存在が確認されています。ここでは、個々の解説に紙幅を割くことはできませんが、成長期以後の体にも影響を及ぼしうる点を強調しておきます。
