【II.-12.】 補説:わが国における糖尿病疾患を巡る地域差
我が国における糖尿病の実態と発症経路について基本的なところを抑えてきました。最後に補説として、罹病の地域差にふれて本章を閉じることにしましょう。データは、【厚生労働省】が手掛ける【人口動態調査】に豊富です。
明らかな地域差があるようです。糖尿病死亡率は、2005年においては全国平均で住民10万人当り10.8人でした。最下位は愛知県で、例年7人台をマークしています。これに対して、ワースト首位は徳島県で、18.0人という高ポイントを示しています。2006年も、10.8人平均に対して19.5年と、14年連続でワースト首位を記録、さらには悪化の一途を辿っているのです。
このような地域差の原因については、未だ不明瞭な点が多いのが現状です。徳島県では、医療サービス・医師数については比較的水準の高い地域ともいわれています。一説では、電車網などが発達していない地方社会では、ドアトゥドアで自動車を利用する事が多く、このことが肥満、延いては糖尿病につながっているのではないかとされています。
徳島県では、この由々しき現状に鑑みて、2005年11月に【糖尿病緊急事態宣言】を発しました。具体的には、日常レヴェルでの啓蒙活動に重きが置かれ、「阿波踊り体操や県産食材を活用したヘルシー阿波レシピを考案するなど、県民の健康づくりを推進」『徳島新聞2007年6月7日号』することが図られています。まだ目立った変化は耳にしませんが、長期的にみて芳しい成果が上がることを願ってみません。
次章では、糖尿病の最も危険なところ、すなわち合併症について詳しくみてまいります。
