【III.-2.】 糖尿病性腎症(1)――腎臓の構造と機能
糖尿病が誘発する【合併症】のなかでも、【三大合併症】が代表的なところですが、なかでも【糖尿病性腎症】はよく耳にするところです。【人口透析】とセットで想起される方が多いのではないでしょうか。生命の危険を多分に孕んだ合併症です。
合併症が誘発するメカニズムについて知るには、まず【腎臓】の機能について確認しておく必要があります。腎臓は【泌尿器官】であり、ヒトにあっては【腹腔】の後ろ上部、脊柱の左右に対になって存在します。構造としては、しばしば「空豆状」といわれる形状をしており、【皮質】・【髄質】から構成されています。重さは100g程度です。機能としては、血液中を濾し取る、つまり【水分】や【窒素代謝物】などを、逆に言うと【血球】・【蛋白】以外のものを濾過します。この濾過されたものが、【尿】です。尿は、【尿管】を通して【膀胱】に送られるという仕組みとなっています。これによって、老廃物が排出され、血液は浄化され、再び体内を駆け巡るということなのです。
腎臓内で、この血液濾過を司っているのは、【皮質部】の【糸球体】(しきゅうたい)という組織です。「…微小体で、糸まり状をしているもの。細尿管の末端がボーマン嚢を形成してこれを取り囲む」『広辞苑第五版』と、説明されます。濾過された尿は、糸球体の段階では【原尿】と呼ばれます。この源尿を集めて、【分泌】・【吸収】を施し、最終的に尿を生成するのが【細尿管】です。【尿細管】とも呼ばれるようです。細尿管は最終的には、【輸尿管】へと至るのですが、その出発点が【ボーマン嚢】です。左手で拳を握ったときの形状を【糸球体】とすれば、【ボーマン嚢】は、左手首までをスッポリ包む右手のような形状をしているとイメージすることができます。
糖尿病性腎症のメカニズムをよりよく理解するために、次に【糸球体】の働きについてみてみましょう。
