【III.-7.】 糖尿病性神経障害(1)――神経の仕組みと働き 其の一
糖尿病が引き起こす【三大合併症】の一つとして最後に取り上げるのが、【糖尿病性神経障害】です。【生活習慣型】の糖尿病疾患においては、高い発症率を有しています。また、神経障害は様々な部位と症状を伴って現れるものです。まずは、【神経】の仕組みと働きを抑えておきましょう
【神経】とは、かの杉田玄白[1733-1817]が『解体新書』に初めて認めた言葉ですが、「中枢の興奮を体の各部に伝導し、または体の各部からの刺激を中枢に伝導する繊維が束になったもの。」『広辞苑第五版』この神経の構造と働きは、大きく二つに分類されます。
第一に、【中枢神経系】は、体の中心を成す部分にあり、いうなれば情報伝達の「本部」のような働きをします。我々【脊椎動物】においては、【脳】・【脊椎】がこれに相当します。第二に、【末梢神経系】は、【中枢神経系】と、【皮膚】・【感覚器官】・【筋肉】・【腺】をはじめとする体の各部位とを連絡するものです。いうなれば「本部」に対して「支部」のような働きをします。
【末梢神経】は、機能的な差異に準じて【運動神経】・【知覚神経】・【自律神経】に分類されます。【自律神経】は、さらに【交感神経】・【副交感神経】に区別されます。【動物神経系】・【植物神経系】や【遠心性神経】・【求心性神経】といった分類の仕方もあります。ただし、上記の分類は、構造・機能の区別に有用ではありますが、実際に【神経束】は、別々の構造・機能を有した多数の神経によって構成されています。実際には、非常に複雑な組織であるということです。
次に――とりわけ【糖尿病神経障害】の発症メカニズムを知るうえでも――末梢神経系の構造と機能を中心に、ヨリ詳しくみていきましょう。
