【III.-5.】 糖尿病性網膜症(2)――発症のメカニズム
糖尿病が網膜症を誘発する仕組みは、【糖尿病性腎症発症】のメカニズムと同じであるといえます。腎症においては、【糸球体】、すなわち毛細血管の塊のなかを、血糖濃度の高い血液が流れ続けると、尿生成の機能が失調を来すということでした。
【網膜】も、その全体に毛細血管網が張り巡らされています。【糖尿病性網膜症】が三大合併症の一つに数えられる所以は、ここにあります。血糖濃度の高い血液がこの毛細血管網に流れ続けることで、血管は疲弊し障害を起こし、網膜症を併発するのです。
糖尿病性の網膜症は、白内障や視力の低下などを引き起こします。とくに、【網膜剥離】も多数確認されており、さらに年間三千人に上る糖尿病患者が失明に至っているともいわれています。なかには、罹病に気付かない、もしくは適切な対処を怠ったことで視力を失う非常な残念なケースもあります。腎症と同様、糖尿病の早期発見と迅速かつ適切な治療が求められます。
【糖尿病性網膜症】は、症状が表に出てくるのが遅いタイプの疾患です。症状が進行する過程を次にみましょう。
