【III.-8.】 糖尿病性神経障害(2)――神経の仕組みと働き 其の二
【抹消神経系】をみていきましょう。【運動神経】は、「動物の筋や腺を支配し、筋の収縮・緊張や腺分泌に関与する神経。」『広辞苑第五版』【運動神経】は【感覚神経】に対置されるもので、【遠心性神経】とも呼ばれます。ヨリ狭義においては、【運動神経】は骨格筋を支配するものをいい、【平滑筋】・【心筋】・【腺】を支配するものを【自律神経】と分類します。
その【自律神経】とは、ヨリ詳しく定義すると、「意志とは無関係に、血管・心臓・胃腸・子宮・膀胱・内分泌腺・唾液腺・膵臓などを支配し、生体の植物的機能を自動的に調節する神経。」『同上』…【植物性神経】とも呼ばれます。【自律神経】は、さらに【交感神経】と【副交感神経】に分類されますが、その中枢は脊髄と脳幹に位置します。
【自律神経】に属する【交感神経】と【副交感神経】は、相互に拮抗して機能します。【交感神経】の中枢は脊椎胸腰部側角に位置し、神経線維が【前根】を通って、【脊柱】の両側を走る【交感神経幹】に入っています。この【神経幹】には、沢山の【交感神経節】が存在し、ここから神経末梢が伸びて、【血管】・【皮膚】・【汗腺】・【内臓平滑筋】・【分泌腺】をはじめ体内の様々な器官・組織に分布しています。【興奮】を支配器官に宛てて伝達する物質が、【アドレナリン】・【ノルアドレナリン】と呼ばれるもので、生体をアクティブにするとされています。一方、【副交感神経】は、【動眼】・【顔面】・【舌咽】・【迷走】を司る【脳神経】に含まれ、【呼吸】・【消化】・【循環】といった作用を支配します。【興奮】の伝達物質は、【アセチルコリン】です。「胃腸運動に対しては、促進的に作用するほか、血管拡張・瞳孔縮小・温熱発汗などの働きがある」『同上』とされています。
【知覚神経】は、別名【感覚神経】、または【求心性神経】とも呼ばれ、すなわち広義の【運動神経】に対置されるものです。【感覚細胞】の【興奮】を【感覚中枢】に伝える、つまり体や内臓における感覚を伝達する働きを司ります。
さて、これらの複雑な神経の機能もしくは、神経組織そのものが失調を来す、すなわち【神経障害】に糖尿病は大きく関わってくるということです。次に、【糖尿病性神経障害】発症のメカニズムをみましょう。
